

分かっているようでちゃんと分かっていない海外の電源事情。
今はスマートフォンやカメラ、ノートPCなど充電ができなければ旅そのものが成立できないレベルです。
今回のブログではそんな悩みや不安を解消する国別「電源・コンセント・電圧」完全ガイドです!
はじめに
海外旅行の準備で意外と見落とされがちなのが、電源やコンセントの違いです。特にアメリカは日本とコンセントの形が同じため、「そのまま使える」と思い込んでしまいがちですが、実は電圧が異なり、機器によっては故障することもあります。
海外では国ごとに電源仕様が違い、「形が合う=安全」とは限りません。この記事では、日本から海外へ旅行する方向けに、電源・コンセント・電圧の違いを分かりやすく整理し、どの機器が使えて、どれが注意が必要なのかを解説します。
出発前に知っておくだけで、現地でのトラブルを確実に減らせますので、安心して旅を楽しむための基礎知識として、ぜひ参考にしてください。

今回はアメリカを重点的に説明し、その他クルーズなどの前後泊で利用するだろう下記の国も踏まえて解説していきます。
カナダ、プエルトリコ、シンガポール、オーストラリア、イギリス、イタリア、スペイン
まず結論:海外電源で確認すべきはこの3点だけ
海外で電源トラブルを防ぐために、確認すべきポイントは次の3つです。
- コンセントの形状が合うか
- 電圧が対応しているか
- 使う機器が何か
この3点を理解すれば、「使える/使えない」で迷うことはほぼなくなります。
海外で使える電源アダプタとは?
コンセントの形状が合うか
海外旅行の電源対策というと、「変換プラグが必要かどうか」を最初に気にする方が多いですが、アメリカ旅行に関して言えば、コンセントの形状は日本とほぼ同じ です。
日本とアメリカのコンセント形状
- 日本:Aタイプ
- 平たいピンが2本
- アメリカ:Aタイプ(+一部Bタイプ)
- Aタイプ:平たいピン2本
- Bタイプ:Aタイプ+下に丸いアース穴

このため、日本の2本ピンプラグは、アメリカのコンセントにそのまま差し込めます。

Aタイプが利用できるコンセント

Aタイプが利用できるコンセント

Aタイプが利用できるコンセント

Aタイプが利用できるコンセント
※その他の国のコンセントは後述を参考
電圧が対応しているか
海外利用できるかは「電圧表記」で判断できる
海外で電源アダプタ(充電器)を使う場合、見るべきポイントは1か所だけです。
それは ―― 電源アダプタ本体に書かれている「Input(入力)」の表記です。
必ず確認するのは「Input(入力)」側
電源アダプタには、必ず次の2つが書かれています。
- Input(入力):コンセントから入ってくる電気
- Output(出力):スマホやPCへ送る電気
海外利用で重要なのは Inputのみ です。Outputは一切関係ありません。
海外で利用できる「正解の表記」
Input: 100–240V 50/60Hz
この表記があれば、以下すべてで使用可能です。
- 日本(100V)
- アメリカ/カナダ(120V)
- ヨーロッパ各国(230V)
- オーストラリア(230V)
- シンガポール(230V)
つまり、変圧器なし・変換プラグだけでOKという意味です。

なぜ「100–240V」だと使えるのかというと、このタイプの電源アダプタは内部に
- スイッチング電源
- 自動電圧調整回路
を持っており、
- 100Vが来ても
- 120Vが来ても
- 230Vが来ても
自動で適切な電圧に変換してくれます。利用者が切り替える必要はありません。

ちなみに…
アメリカの電圧は「110V~120V」と書かれることもあります。これは元々110Vが標準でしたが、時代の流れと主に送電効率や消費電力の兼ね合いで、120Vに引き上げられました。
現在、公称電圧は120Vですが、昔の慣習として110Vという表記も使われる場合があります。
ヨーロッパの電圧も「220V~230V」と書かれることもあります。これは元々ヨーロッパの国毎の電圧が混在(ドイツやフランス 220V、イギリスやアイルランド230V)したためで、EUでの統一規格として230Vが統一電圧になりました。
オーストラリアの電圧も「220~240V」と書かれることもあります。これはイギリスの影響から、元々240Vでしたが、国際規格(IEC)との整合のため、230Vに変更されました。またオーストラリアの規格は、230V ±10% なので、207V~253Vでありすべてが含む、220~240Vと表記となる場合があるわけです。
海外で使える電源アダプタ、家電

『入力:100–240V 50/60Hz』の表記があればOK!





※「入力」や「IN」表記に合わせて『AC』と書かれている事もありますが、家庭のコンセントから来ている電気は基本的に交流(AC)なので、電源アダプタに表記されることがほとんどです。
海外で使えない電源アダプタ、家電



日本の電源事情
基礎知識

海外の電源を理解するためには、まず 日本の電源がどうなっているか を正しく知っておく必要があります。
実は、ごくごく普通に当たり前にいつも使っている電源ですが…
日本の電源仕様は、世界的に見ると少し特殊なんです!
| 項 目 | 内 容 |
|---|---|
| コンセント形状 | Aタイプ |
| 電圧 | 100V |
| 周波数 | 50Hz / 60Hz |
電圧100Vというのが、世界的に見るとかなり低めなんです。
そして、周波数が 東日本 50Hz、西日本 60Hz と、国内で周波数が混在している国は、世界的にも珍しい存在です。

日本と同じコンセント形状「Aタイプ」は、ハワイやグアムを含むアメリカやカナダ、メキシコ、台湾、フィリピンなどがありますが、日本人旅行者は「海外でもそのまま使える」と思い込みやすくなるので要注意です!
日本と同じコンセント形状「Aタイプ」は、ハワイやグアムを含むアメリカやカナダ、メキシコ、台湾、フィリピンなどがありますが、日本人旅行者は「海外でもそのまま使える」と思い込みやすくなるので要注意です!
なぜ日本の家電は海外で使えないことが多いのか
日本の多くの家電製品は、「100V専用」 で設計されています。
これは、
- 日本国内でしか使わない前提
- 低電圧・安全重視設計
という背景があるためです。その結果、
- アメリカ(120V)
- ヨーロッパ(230V)
などで使うと、電圧オーバーによる故障リスク が発生することになります。
【徹底解説】アメリカの電源事情

アメリカは、日本人旅行者が最も油断しやすい国です。
理由は単純で、「コンセントの形が日本と同じ」だからです。
しかし、ここに最大の落とし穴があります。
アメリカの電源仕様(基礎データ)
| 項 目 | 内 容 |
|---|---|
| コンセント形状 | Aタイプ(日本と同じ) |
| 電圧 | 110~120V |
| 周波数 | 60Hz |
| 日本との違い | 電圧が高い |

コンセントの形状は同じですが、電圧は日本の100Vより高いのが本質的な違いです。
「刺さる=安全」ではない理由
日本の多くの家電は 100V専用設計 です。これに120Vをかけると、
- 異常発熱
- 動作不良
- 発煙
- 即故障
といったトラブルが起こる可能性があります。
つまりアメリカでは「使えそうに見えて、実は危険」という状態になってしまいます。
アメリカで使える機器・使えない機器
ほぼ問題なく使えるもの

コンセントに差し込むアダプターに、以下の表記があれば安全です。
『Input: 100–240V 50/60Hz』
代表例
- スマートフォン充電器
- モバイルバッテリー(コンセント付き)
- ノートPC(MacBook / Windows)
- カメラ・アクションカムの充電器
現代の充電器はほぼ世界対応のため、充電に関しては心配不要です。
原則使えないもの(要注意)
- ドライヤー
- ヘアアイロン
- 電気シェーバー(古いもの)
- 電気ケトル
- 炊飯器
これらは100V専用が多く、アメリカで使うと故障リスクが高くなります。

製品に『海外対応』と書かれている商品は使えます。
ヘアアイロンなどは最近海外対応も増えているようです!
「変圧器を使えば大丈夫?」という誤解
結論から言うと、変圧器はおすすめしません。
理由は以下の通りです。
- ドライヤーは消費電力が非常に大きい
- 安価な変圧器は定格不足になりやすい
- 発熱・故障・火災リスクがある
- 荷物が重くなる
正解は
- ホテル備え付けを使う
- 海外対応モデルを使う
- 現地で安価な家電を購入する
アメリカのホテル事情
近年のホテルでは、
- USB-A / USB-C付きコンセント
- ベッドサイドに複数口
- 洗面所にドライヤー常設
が一般的です。つまり充電器さえ対応していれば、電源で困ることはほぼありません。

【国別】電源・コンセント一覧表(保存版)
| 国 | コンセント | 電圧 | 周波数 | 変換プラグ | 日本の充電器 |
|---|---|---|---|---|---|
| アメリカ | A | 120V | 60Hz | 不要 | ○ |
| カナダ | A | 120V | 60Hz | 不要 | ○ |
| プエルトリコ | A | 120V | 60Hz | 不要 | ○ |
| シンガポール | BF | 230V | 50Hz | 必要 | ○ |
| オーストラリア | O | 230V | 50Hz | 必要 | ○ |
| イギリス | BF | 230V | 50Hz | 必要 | ○ |
| イタリア | C / L | 230V | 50Hz | 必要 | ○ |
| スペイン | C | 230V | 50Hz | 必要 | ○ |
※ ○=「Input:100–240V」対応時


コンセントの変換プラグは、家電量販店などで2000円前後で購入可能です。
軽さや小ささを重視するなら、対象の国のみ対応の変換プラグを購入すればいいですが、様々な国で利用できるマルチ変換プラグひとつあるととても便利です。
ディズニー・クルーズライン

ディズニー・クルーズラインの船内はアメリカです。
なので、コンセント形状は日本と同じAタイプなので、電圧が対応している電源アダプタであればそのまま利用ができます。


ちなみに、クルーズの部屋に置いてあるヘアドライヤーは、220V専用ですので、『HAIRDRYER OUTLET 220V』と書かれているコンセントの真ん中の穴にさして利用します。
※別の丸穴のコンセントにさしても、110Vなのでヘアドライヤーは半分の風力でしか動きません。



まとめ:海外電源で失敗しないために
- 見るべきは「形」ではなく「電圧」
- アメリカは特に誤解されやすい
- 高出力家電は使わないのが正解
電源の仕組みを理解しておけば、海外旅行でのトラブルは確実に減らせます。
出発前のチェックリストとして、ぜひ活用してください。
ヒロ@mickeynet

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